令和元年度(2019年) 試験Ⅰ 問題1 (11)~(15)

令和元年度 試験Ⅰ 問題1  (11) (12)    (13) (14) (15)

(1)【 述語が表す出来事と二格の関係 】       難易度 ☆☆☆★★

まず、「ニ格」「ガ格」「ヲ格」などと書いてあったら、助詞を思い浮かべてください。

助詞「に」の用法は、いっぱいありますが、この問題の「に」は、「動作を行う時」を表す「に」です。

1 週末に行った      週末にその行為をした
2 週末にドライブをした  週末にその行為をした
3 週末に残業した     週末にその行為をした
4 週末に買ってきた    週末にその行為をした
 週末に予約した     レストランに行く日が週末。(予約した日は、週末とは限らない。)

5だけ、「週末に行為をした」ではありません。

よって、答えは5です。

私は、5も「週末にその行為をした」というふうに読んだので、最初、わかりませんでした・・・。

この問題とは、あまり関係ありませんが、助詞「に」の用法をまとめておきます。

「に」の用法は、本当にいっぱいあります。覚える必要はありません。

「こんなものがあるんだ~」という感じで、見ていただければと思います!

存在の場所机の上に本がある 先生は教室にいる 栃木県に住んでいる ホテルに泊まる
※「ある・いる」の他に「住む・泊まる」等の動作性の低い動詞は「に」を使う。
 動作性が高い動詞は、動作の場所「で」を使う。例:食堂で食べる 体育館で踊る
時を表す4月1日に来た 夏休みに国へ帰る 食べる前に歯を磨く 帰りにコンビニに寄る
目的・用途手紙を出しに行く ケータイを取りに帰る コンパスは円を描くのに使う
到達点・帰着点学校に行く いすに座る 大学に入る 紙に名前を書く 会議に参加する
変化教師になる 20歳になる 5時になる 中国語に翻訳する 静かになる
相手相手  彼に会う 先生に聞く 母に電話をかける 友達に写真を見せる
受け手 弟に腕時計をあげる 友達にお金を貸す  ポンさんに日本語を教える
与え手 兄に腕時計をもらう 友達にお金を借りる ポンさんにタイ語を習う
※ 与え手の使い方は「~から」と言うこともできる
受身文・使役文
の動作主
受身  父に叱られる 部長に仕事を頼まれる 誰かに財布を盗まれる
使役  学習者に漢字を書かせる 子供に野菜を食べさせる  
原因・理由
~ために
お金に困る 人の多さにびっくりする  
比較の基準
適用の範囲
父に似ている この服はあなたにびったりだ 体にいい 目に悪い 文法に弱い
追け加え朝食はいつも食パンにコーヒーだ  定食にスープもついてくる
強調
(同じ動詞を反復)
昨日は飲みに飲んだ  台風で海は荒れに荒れた
その他
(分類しにくいもの)
(対象とも考えられる)日本の生活に慣れた 会議に遅れる 授業に間に合った
(出所とも考えられる)駅前にスーパーができた 山田さんに女の子が生まれたそうだ
(存在の場所とも考えられる)会社に勤めている 家に財布を忘れた
(比較の基準・適応の範囲とも考えられる)1日に3回薬を飲む  
(2)【「の」の用法 】              難易度 ☆☆☆★★

「の」の用法で一番よく使われるのは、「名詞+の+名詞」で、後ろの名詞を修飾する形です。

例:ミラーさんの本 昨日のニュース ベトナムの雑貨 日本語教師の鈴木です 等

上の文も細かく言うと、分かれるのですが、後ろの名詞を修飾するということで、全部同じと考えましょう。

他の用法に、連体修飾部(名詞を修飾している部分)の助詞「が」は「の」と言い換えることができるという用法があります。この用法は検定試験でよく出題されます!

例:母作ったカレー⇒ 〇 母作ったカレー グエンさん着ている服⇒ 〇 グエンさん着ている服

逆に言うと、「の」を「が」に言い換えることができます。

1 「名詞+の+名詞」後ろの名詞を修飾する用法
 連体修飾部の「が」が「の」になったもの。逆に言うと「の」を「が」に言い換えられる。
  〇 本好きな子供 = 〇 本好きな子供
3 「名詞+の+名詞」後ろの名詞を修飾する用法
4 「名詞+の+名詞」後ろの名詞を修飾する用法
5 「名詞+の+名詞」後ろの名詞を修飾する用法

2以外の選択肢は、「の」を「が」に言い換えると変な文になります。
よって、答えは2です。 

ちなみに、「母が作ったカレー」という連体修飾は初級の中盤ぐらいで教えます。
「が」が「の」に言い換えられるのは、ここでは教えません。
だいたい初級終了後、中級のはじめぐらいに教えます。

助詞「の」をまとめると、下のようになります。

「名詞+名詞」で
後ろの名詞を修飾
      日曜日の昼 5月の終わり 今朝の新聞
場所     棚の上 駅の向こう 日本の観光地 
所有     私のかばん 山田さんの家 このペンは彼のです。
種類・性質  英語の本 体育の教師 もみの木
状態     生の肉 風邪のとき 学生の頃 
 連体修飾部の「が」
に相当する働き
作ったカレー 作ったカレー  あなたの好きなもの 胴の長い人
ヘレンさんの着ている服がほしい わたしの言うとおりに、言ってください。
動詞を名詞化するナットさんは走るのが速いです。 ヘンリーさんは絵を描くのが上手です。
人・物などの名詞の
代わりに使う
英語が話せるのは、李さんだけだ。 もう少し大きいのは、ありますか。
私がすきなのは「進撃の巨人」です。 一番安いのは、スーパー玉出です。
※名詞化とも考えられる
「~の~の」で
例を示す
かばんの中に、爪切りだの、オロナインだの、いろいろな物が入っている。
彼女は、年収が低いだの、趣味が合わないだのと言って、なかなか結婚しない。  
(3)【 のだ(んだ)の用法 】           難易度 ☆☆★★★

普通形…「のだ(んだ)」
丁寧形…「のです(んです)」

話すときは「んだ」「んです」をよく使います。文型辞典には「のだ」で載っています。

「のだ(んだ)」の用法もいっぱいあるので、選択肢を見ながら考えるしかありませんね。

1 発見 「あれ、~」
2 発見 「なんだ、~」
 決意 「よし、~」
4 発見 「へえ、~」
5 発見 「そうか、~」

1245は「発見」、3だけ「決意」です。
よって、答えは3です。

「~のだ(んだ)」ような文型は、山ほどあるので、全部は覚えるのは不可能でしょう…。
私はこの種の問題は「出たとこ勝負!」です。

一応、「のだ(んだ)」の用法をまとめておきます。眺める感じで見てください!

(強めの)説明早めに帰ります、息子の誕生日なんです。 すみません、電車が遅れたんです
説明を求めるどうして遅れたんですか?  日本人って真面目なんじゃないんですか
主張彼女のことが好きなんだ。  私は夫婦別姓に賛成なんです
決意絶対に合格するんだ。  留学するまでに、N2を取るんだ
※「決意」は大きく分けると、上の「主張の用法」に含まれる
納得なるほど、そうなんだ。 へえ、それで、電車が込んでいたんだ
言い換え彼は言い訳ばかりする。まだ子供なんだ
要するに言いたいのは、「会話練習が足りない」ということなんです
発見あっ、コンビニができたんだ。 えっ、マリアさん、N1落ちたんだ
指示・命令・説得明日、朝早いから、早く寝るんだ。  漢字は書いて覚えるんですよ。 

※「指示・命令・説得」の用法は、文型辞典「~のだ」ではなく、「~んだ」で載っています。

(4)【「ところ」の用法 】           難易度 ☆☆★★★

「~ところ」の用法で一番よく使われるのは、行為や変化がどの時点であるか(アスペクト)を表すものです。「~ところだ」の形で、「~の時」という意味を表します。

 動詞 辞書形 +ところ…直前を表す
  例: ご飯を食べるところだ。 ちょうど映画が始まるところです。

 動詞 ている +ところ…動作の進行中を表す
  例:今、ご飯を食べているところだ。  ちょっと待ってください。今、確認しているところです。

 動詞 タ形 +ところ…直後を表す
  例: ご飯を食べたところだ。 たった今、家に着いたところです。

これだけの知識で、問題を見てみましょう。

 「~ても」と言い換えられる。「~たところで」という文型。
2 「~ているところに~」→「時」(進行中)を表す。
3 「~するところで~」→「直前」か「直後」か定かではないが、いずれにしても「時」を表す。

4 「~たところで~」→「時」(直後)を表す。

5 「~していたところに~」→「~していた」になっているが、「時」(進行中)を表す。

2345は「時」を表す用法ですが、1は「時」を表す用法ではありません。
よって、答えは1です。

選択肢1の用法は「~たところで」という文型で、「~ても」に言い換えることができます
「~ても、結果は無駄だ。」「~ても、結果は程度が低いものにしかならない。」という場合に使います。

例:いくら頑張ったところで、Aチームには勝てない。
  YOUTUBEチャンネルを始めたところで、登録者数は50人もいかないだろう。

この問題も、大問1を解く方法の1つ「とりあえず、他の言葉で言い換えてみる」で、解ける問題ですね!

(5)【「れる・られる」の用法 】         難易度 ☆☆☆☆★ 

「れる・られる」には「受身」「可能」「自発」「尊敬」の4つの用法があります。

◇ 受身…父に叱られる 弟にケーキを食べられた この学校は3年前に設立された
◇ 可能漢字が書ける パンケーキが作れる パクチーが食べられる 8時に来られる
◇ 自発…人の意思によらず、自然に起こる現象・作用のこと。
     ふるさとが思い出される 1日が短く感じられる
尊敬…社長が午後から車を使われる。 社長は明日、出張されるそうです。

五段動詞(Ⅰグループ)の可能形は「書かれる・作られる」ではなく「書ける・作れる」
敬語の5分類(尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ・丁寧語・美化語)のうちの尊敬語で「れる・られる」を使う。

選択肢を見ていきましょう。

1 自発の用法
2 自発の用法
3 自発の用法
4 可能の用法 「高めることができる」と言い換えられる
5 自発の用法

1235は「自発」、4だけ「可能」の用法です。
よって、答えは4です。

1・2あたりを見て、「自発」だと気づくかがポイントですね。
なんか、4も自発のように見えなくもないですが…。

みなさんは「パクチーが食べられる」「パクチーが食べれる」どちらを使いますか。
「食べれる」という人のほうが多いのではないでしょうか。

「食べられる」の「ら」を抜いて、「食べれる」という言葉を「ラ抜き言葉」と言います。
一段動詞(Ⅱグループ)の可能形に起こる現象です。
「れる・られる」には、他の用法(受身・自発・尊敬)があり、それらと混同しないように、区分するために、発生した現象だと言われています。

文法的には正しくないので、規範的ではない間違った言葉だという指摘があります。
規範的ではない、若年層が使っている言葉という感じがしますが、実は、大正末期ぐらいに使われ始め、戦後に広まっていったと言われています。けっこう昔からあるんですね!

このような一般的に「正しくない」と言われる言葉にも、
「言葉の乱れ」→「言葉の揺れ」→「許容」→「定着」のように動いていく言葉もあります。

「ラ抜き言葉」が、今どの段階かは、はっきり言えませんが、皆が使用しているので「間違い」ということはできないでしょう。いつか、日本語のテキストの「可能形のⅡグループ」から「ら」が消える日が、来るかもしれませんね。
私は、日本語教師なので、一応「食べられる」と言うようにしています!

※「作れる」「帰れる」などは、「ラ抜き言葉」に見えますが、「ラ抜き言葉」ではありません。
 これらはラ行五段動詞(Ⅰグループ)の可能形の普通の活用です。
 例:「作る」→可能形「作れる」「帰る」→可能形「帰れる」


令和元年度(2019年) 試験Ⅰ 問題2 (1)~(5)



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