令和元年度(2019年) 試験Ⅰ 問題1 (1)~(5)

令和元年度   試験Ⅰ  問題1 (1) (2)  (3) (4) (5)

(1)【 円唇性(えんしんせい)】           難易度 ☆★★★★

日本語の母音の音声記号の問題です。

母音は「唇の丸めの有無(円唇性)」「舌の前後位置」「舌の高さ」の3つで分類されます。

「唇の丸めの有無(円唇性)」…唇を丸めるかどうか。【円唇えんしん母音/非円唇ひえんしん母音】
「舌の前後位置」…舌が前寄りか後寄りか。【前舌(まえじた)母音/中舌(なかじた)母音/(うしろ)(じた)母音】
「舌の高さ」…舌が高いか低いか。【(たか)母音/(なか)母音/(ひく)母音】

※ ③は「舌の高さ」ではなく、「開口度」で表されることもあります。
 「開口度」…口をどのぐらい開くか。【(せま)母音/(はん)(せま)母音/(はん)(ひろ)母音/(ひろ)母音】

日本語の母音は下のようになります。

/ア/[a]  非円唇 ※1 低母音(広母音)
/イ/[i]   非円唇 前舌 高母音(狭母音)
/ウ/[ɯ]  非円唇 後舌 高母音(狭母音)
/エ/[e]  非円唇 前舌 中母音(※2 半狭母音)
/オ/[o]  円唇  前舌 中母音(※2 半狭母音)

※1 日本語の /ア/ は舌の前後位置はどこで発音してもいいので、書かないことが多い。
※2 半狭と半広の間だが、簡単に半狭母音と表すことが多い。

[o]だけ円唇。[a][i][ɯ][e]は非円唇です。

よって、答えは5です

日本語の/ウ/も円唇なのではないか?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
共通語の/ウ/【ɯ】は唇の丸めが弱いので、非円唇です。

音声記号[u]もあります。[u]は[ɯ]に似た調音ですが、円唇です。
[u]…円唇 後舌 高母音(狭母音)

関西人の中には /ウ/ を口を丸めて、[u]と調音する人がいるようです!(私もかなあ…)

(2)【 撥音の音声 】                 難易度 ☆☆☆★★

撥音 /ン/ の音声は後続する音によって決まります。

ざっくりまとめると下のようになります。

① 後続音がない場合…[ɴ]「有声・口蓋垂・鼻音」で発音する。
  例:ペン[peɴ] ごはん[gohaɴ] ~さん[saɴ]
② 後続音が「あさわはや行」の場合…鼻母音で発音する。
③ ①②以外は、「有声・後続音の調音点・鼻音」で発音する。

この問題では、上の③「有声・後続音の調音点・鼻音」を用います。
/ン/ の音声は下のようになります。

1 後続音/タ/の子音[t]の調音点は歯茎なので、/ン/は[n]「有声・歯茎・鼻音」です。

2 後続音/ツ/の子音[ts]の調音点は歯茎なので、/ン/は[n]「有声・歯茎・鼻音」です。

 後続音/チ/の子音[tɕ]の調音点は歯茎硬口蓋なので、/ン/は[ɲ]「有声・歯茎硬口蓋鼻音」です。

4 後続音/ト/の子音[t]の調音点は歯茎なので、/ン/は[n]「有声・歯茎・鼻音」です。

5 後続音/テ/の子音[t]の調音点は歯茎なので、/ン/は[n]「有声・歯茎・鼻音」です。

よって、答えは3です。

「撥音の音声は後ろの音によって決まる」「タ行で /チ/ だけ調音点が違う」
/ン/ の音声記号が、わからなくても、この2つの知識があれば、わかる問題です!

/タ  ティ トゥ テ  ト / の子音は [t] 無声 歯茎      破裂音
/チャ チ  チュ チェ チョ/ の子音は、[tɕ]無声 歯茎硬口蓋 破擦音
/ツァ ツィ ツ  ツェ ツォ/ の子音は、[ts]無声 歯茎      破擦音

「チェとかツァとか、覚えることが多くなった!」と思われると思いますが、上記のように覚えると、かえって覚えやすくなりますし、いろいろな問題(試験Ⅱの大問3等)に対応できます。

「  /タ・テ・ト/で覚えて、/チ/ で覚えて、/ツ/ で覚える…」 
というように誰かに習った方はいませんか?
/ タ・チ・ツ・テ・ト / で計5音なら、同じ労力で、15音覚えたほうが得です!
(3)【 拍数の変化 】                 難易度 ☆☆★★★

拍とはリズム上の単位のことです。まとめると下のようになります。

◇ 基本的に仮名1文字で1拍となる。 例:「つ/く/え」=3拍 「ア/メ/リ/カ」=4拍

◇ 拗音やカタカナ語の小さい字「ャュョァィゥェォ」を伴うものは2文字で1拍となる。
  例:「きゃ/く」=3拍 「カ/フェ」=2拍 「ティ/ラ/ミ/ス」=4拍

◇ 特殊音(撥音・促音・引く音)は単独で1拍となる。
  例:「で//わ」=3拍 「あ/さ//て」=4拍 「ギ/タ/」=3拍 「と//きょ/」=4拍

月~日の本来の拍は下のとおりです。

ゲツ=2拍 カ=1拍 スイ=2拍 モク=4拍 キン=4拍 ド=1拍 ニチ=2拍

ですが、読むときは「ゲツ カー スイ モク キン ドー ニチ」と読みます。
「カ」→「カー」、「ド」→「ドー」と1拍から2拍に変化しています。

これは、日本人は2拍を1つのまとまりとするリズムを、好むからです!

 「ゲツ カー スイ」の「火」←1拍から2拍に変化しています。

2 「カー スイ モク」の「水」←「スイ」2拍のままです。

3 「ゲッ スイ キン」の「月」←「ゲツ」が「ゲッ」になりますが、2拍のままです。

4 「カー モク ドー」の「木」←「モク」2拍のままです。

5 「キン ドー ニチ」の「金」←「キン」2拍のままです。

よって、答えは1です。

拍を勉強したら、ついでに、音節とリズムも勉強してしまいましょう!
☞  拍・音節・リズムについて(拍の等時性・フット・強勢リズム・音節リズム
 
(4)【 読み方のバリエーション 】           難易度 ☆★★★★

「読み方のバリエーション」ということなので、とりあえず読んでみましょう。

1 きゅうこ
 きゅうにん または くにん
3 きゅうこ
4 きゅうほん
5 きゅうかい

2だけ読み方が2種類あります。

よって、答えは2です。

問題1では、ときどきこんな「これが答えでいいの?」という問題がありますね!

(5)【 語構成 】                  難易度 ☆☆☆★★ 

語構成とは、1つの単語が、さらに意味をもった要素に分けられる場合の、その結びつき方のことです。
語構成ときたら、「どのように結びついているか。」を考えてみてください!

選択肢1でいうと、「耳当て」は1つの単語ですが、「耳」と「当て(る)」という要素に分けられます。
この2つが「どのように結びついているか」ということです。

大問1でよく使う「文を作ってみる」という方法を試してみましょう。

1 耳当てる または 耳当てるもの
2 下敷く  または 下敷くもの
 台拭く  または 台拭くもの
4 膝掛ける または 膝掛けるもの
5 前書く  または 前書くもの

1245は「に」で結びついていますが、3だけ「を」で結びついています。

よって、答えは2です。

【語構成】の意味がわからない。選択肢を見ても、何を問われているかわからない。
そんな時は「文を作ってみる」「語順を入れ替えてみる」等の方法を試してみましょう!
いろいろな方法を試して「仲間外れ」を探しましょう。

このような問題は、知識というより、「謎解き」に近いですね!


☞ 令和元年度 試験Ⅰ 問題1 (6)~(10)

ご質問、ご相談等、お気軽にコメントをどうぞ。

タイトルとURLをコピーしました