令和元年度(2019年) 試験Ⅰ 問題1 (6)~(10)

令和元年度   試験Ⅰ  問題1 (6) (7)  (8) (9) (10)

(6)【転成名詞の意味】              難易度 ☆☆☆☆★

選択肢1~5は、「持つ(動詞)」→「持ち(名詞)」になった転成名詞なのですが、その知識は問題を解くのにあまり関係ありません。

【意味】を考えてみましょう!

1 かばんを持つ人

2 所帯を持っている人

3 金を持っている人

 心の持ち様 または 心構え

5 力がある人 

1235は「人」、4だけ「人」じゃありません。

よって、答えは4です。

この問題も知識というより、ひらめくかどうかですね。私はこの手の問題が苦手です…。

転成…造語法の下位区分の1つ。語の品詞を変えて、別の品詞の語を作る方法。

転成名詞…転成して名詞になったもの。
例:正確(ナ形容詞)→正確さ(名詞) 痛い(イ形容詞)→痛み(名詞) 流れる(動詞)→流れ(名詞)  等

転成の詳しい説明です。ついでに、造語法の他のものも一緒に覚えてしまいましょう!
数は多いですが、1つ1つは簡単です。
☞  造語法について(合成法・縮約・混淆・借用・文字による方法・転成・逆成)

(7)【デ格の意味】                難易度 ☆★★★★

助詞「で」にはいろいろな用法があります。

後で用法を紹介しますが、まず、考えてみましょう。

1 原因・理由
2 方法・手段
3 方法・手段
4 方法・手段
5 方法・手段

1だけ「原因・理由」を表します。

よって、答えは1です。

助詞「で」の用法は、下記のようなものがあります。丸覚えする必要はありません。

「こんな用法も、あるんだなあ~」という感じで見ていただければと思います。

動作の場所レストランでご飯を食べる  教室で勉強する 
手段・方法自転車で学校へ行く  はしでご飯を食べる  英語で手紙を書く
原因・理由風邪で学校を休む  火事で家が焼けた  事故で電車が遅れた
材料木で本棚を作る  このかばんは革でできている
範囲富士山は日本で一番高い山だ  スポーツのなかで サッカーが一番好きだ
動作の主体ポランティア団体で行う  国で対策を練る  自分でする
※「が」で置き換えられることがおおい。例:ボランティア団体が行う
動作の主体の数的状態一人で行く  3人で話し合った  家族で旅行に行った  みんなで考えよう 
状態・様態裸足で歩く  大声で泣く  普段着でお越しください
必要な数量/十分な程度1週間で覚える  3人で運べる  1年で英語が話せるようになった
100円で買える  これで十分だ  来週でいい  
合計した数5と3で8  全部でいくら?  往復で500円
~のときに20歳で会社をおこした  ご飯を食べたあとで、歯を磨く
(8)【補助動詞】                 難易度 ☆☆☆★★

補助動詞とは、別の動詞に後続することにより文法的機能を果たす動詞で、それ自体の本来の意味は保っていない(前の動詞との組合せで意味を持つ)もののことです。

つまり、別の動詞にくっついて、本来の意味を保っていない動詞のことです。

1 座ってみる   「見る」という本来の意味を保っていないので、補助動詞。
 持ってかえる  「帰る」という本来の意味を保っているので、補助動詞ではない。
3 飾ってある   「有る」という本来の意味を保っていないので、補助動詞。
4 忘れてしまう  「しまう」という本来の意味を保っていないので、補助動詞。
5 見えてくる   「来る」という本来の意味を保っていないので、補助動詞。

2だけ、補助動詞ではありません。
よって、答えは2です。

補助動詞ときたら、「(動詞の後部要素が)本来の意味を保っているか」に注目しましょう。

補助動詞について、詳しく書くと、下のようになります。(ややこしかったら飛ばしてください!)

補助動詞は一般的に、上の「座ってみる」「飾ってある」「忘れてしまう」「見えてくる」のように、動詞の連用形の「テ形」に接続するもののことを言います。平仮名で書かれることが多いです。

例:食べている 書いておく 教えてあげる 貸してもらう 等
  ※ 補助形容詞もあります。…貸してほしい 歩きやすい 食べにくい 等

しかし、「泣き出す」「食べすぎる」等、動詞の連用形「マス形」に接続する「複合動詞の後部要素」も、補助動詞に近いので、広義に「補助動詞」だいう捉え方もあります。

複合動詞は下のように分けられます。

語彙的複合動詞…後部要素が本来の意味を保っている複合動詞
  例: 切り倒す 押り曲げる 歩み寄る 持ち上げる 等

文法的(統語的)複合動詞…後部要素が本来の意味を保っていない複合動詞
  例: 泣き出す 食べ切る 歩み寄る 話し合う 等

ざっくり言うと、文法的(統語的)複合動詞の後部要素は、ほぼ「補助動詞」とイコールと考えてもいいです。

長々とすみません。かえってややこしくなりましたね。

要するに言いたいのは「補助動詞」の問題でも、「複合動詞の成り立ち方(語彙的複合動詞・文法的複合動詞)」という問題でも、「後部要素が本来の意味を保っているか」という点に注目しましょう。
ということです!

(9)【指定文と措定文(そていぶん)】       難易度 ☆☆★★★

指定文…「AはBだ」という文が「BはAだ」と言える文。※「A=B」の関係にある。
  例:田中さんは あの人だ。→ あの人は 山田さんだ。
    富士山は 日本一高い山だ。→ 日本一高い山は 富士山だ

◇ 措定文…「AはBだ」という文が「BはAだ」と言えない文。
  ※ 包摂関係(AがBに含まれる関係)にある。
  例:田中さんは 弁護士だ。→ 弁護士は 山田さんだ。
    富士山は 高い山だ。→ 高い山は 富士山だ。

1 「男の人は私の先生だ」と言えないので、措定文。
2 「医師は山田さんだ」と言えないので、措定文。
3 「冷淡はあの人だ」と言えないので、措定文。
4 「有能は議長だ」と言えないので、措定文。
 「あの人は院長だ」と言えるので、指定文

5だけ措定文です。
よって、答えは5です。

「指定文・措定文」の意味がわからなくても、試験Ⅰの大問1を解く方法の1つ「語順を逆にしてみる」をやってみたら、勘がいい人はわかるかもしれませんね!

「指定文と措定文」はすぐわかります。でも、1週間ぐらい経ったら、どっちがどっちか忘れてしまいます。

措定文の方が問題になりやすいので、私は「BはAにならないのが措定文」とだけきっちり覚えています!

「僕はうなぎだ!」

そのまま英語に訳すと、えらいことになりますね…。
「僕はうなぎを食べる」「ウナギを注文した」という意味ですね。

日本語では「~だ」や「~です」を用いて、わざわざ言わなくてもわかることを簡潔に言うことができます。(※日本語だけじゃありません。他の言語にもあります。)

このような文を「ウナギ文」と言います。

他の例:A:どうやって来ましたか?→B:「私は電車ですが、Cさんはバスです。」
    A:芸能人で誰が好き?→B:「私は斎藤工!」C:「私は高田純次!

このウナギ文も「措定文」です。

(10)【直接受身文における動作主の表示形式】    難易度 ☆☆★★★ 

日本語の受身文は「~れる」「~られる」で表現されます。

動作主は「に」を用いるのが一般的で、物の移動を表すときは「から」も用いることができます。
また、事物を主語にする場合は「によって」を用います。

◇(私は)部長( 〇に / ×から / ×によって )叱られた。
◇(私は)部長( 〇に / 〇から / ×によって )大量の資料を 渡された。
◇ あの絵は ゴッホ( ×に / ×から / 〇によって)描かれた。

1 女性の理想像は愚かな男性( ×に / ×から / 〇によって)生み出された。
2 金閣寺は足利義満( ×に / ×から / 〇によって )建てられた。
3 荒城の月という曲は滝廉太郎( ×に / ×から / 〇によって)作られた。
 カンニングしているところを、先生〇に / ×から /×によって )見られた。
5 モナ・リザの絵はレオナルド・ダ・ヴィンチ( ×に / ×から / 〇によって )描かれた。

1235は動作主に「~によって」を用いますが、4だけ「~に」を用います。
よって、答えは4です。



☞ 令和元年度 試験Ⅰ 問題1 (11)~(15)


ご質問、ご相談等、お気軽にコメントをどうぞ。

タイトルとURLをコピーしました